この事例は、金利が高い「福岡銀行エブリワン」「肥後銀行プロパーローン」「信用組合プロパーローン」「ゆうちょ銀行(スルガ銀行)」などで通った事例ではありません。
北九州市小倉南区 H様のケース
■販売代理業者様(以下、A社様といいます。)からの相談案件
■申込本人様の内容
会社員(東証一部上場企業の子会社)
年齢 48歳
年収 720万円
■購入住宅 新築建売住宅
■住宅ローン申込み金額 2,550万円(物件金額の100%+諸経費)
■審査通過までの道
A社様とH様との商談の段階で、半年前~2年前の間にローンの延滞が数回あるというお話がH様からありました。
A社様はローンの審査に不安を持ちながらも、H様が購入に前向きであることから、とりあえず2つの銀行に審査をかけてみることにしました。
ところが不安が的中し、審査結果はいずれも否決、そこでA社様から当社に相談がありました。
H様とお会いし、延滞当時の状況について以下の項目を確認させていただきました。
①延滞の理由
②延滞したローンの毎月の引落日
③延滞したローンの引落口座と、生活のメイン口座(給与振込や生活費関連の口座)は同じ口座か別の口座か
④別の口座であれば、その時期のメイン口座の記帳部分が残っているか
そこでH様からのお話をまとめると、
(1)給与振込や生活のメイン口座として使っているのはB銀行(地方銀行)で、延滞したローンの引落口座はC銀行(都市銀行)。
(2)ローンを組んだ当時、H様は東京勤務で、その時期の給与振込先がC銀行だったことからそこを引落口座にした。
(3)2年前に北九州市に転勤した際、給与振込口座をB銀行に変更した。
(4)その頃、まだローンの残高が残っていたが、毎月の支払い分をB銀行からC銀行に移し変えていた。なお、毎月の返済日は27日だった。またインターネットバンキングはしていないので、時間があるときにC銀行のATMで数か月分を入金していた。
(5)引き落としが出来ていなかったときは督促の連絡があったが、数日内に入金した。それが3回か4回はあったと思う。
以上の内容でした。
そして当社から別の銀行に審査をかける際、H様にローンの返済予定表とB銀行とC銀行の記帳部分のコピーをいただき、フォロー文書で延滞の経緯を銀行担当者に説明し、無事に融資承認を得ることができました。
ここでのポイントは以下のとおりです。
① 審査する側は、信用情報に延滞の情報が出ていても、「払えなくて遅れたのか」「単なるミスで遅れたのか」が分かりません。
実際にお金がなくて延滞してしまった場合のフォローは困難ですが、お金の移し変えのミスであり、延滞が連続ではなく回数がさほど多くなければ、保証会社に対する説明次第では審査通過の可能性がなります。
ただし保証会社によっては、
・1回でも延滞があれば否決
・延滞が○回までだったら申込者の内容次第では容認
・1年以内に1回でも延滞があれば否決だが1年以上前の延滞については回数次第で容認
というように、審査スタンスは様々です。
そこを見極めて審査にかける金融機関を選ぶことがポイントとなります。
そして延滞が生じたのは申込者の「うっかりミス」であり、生活のメイン口座には十分に残高があって「払えなくて払わなかった状況ではない」ことを強調して説明する必要があります。
H様の場合はメイン口座に十分な残高があったため、その説明をすることが出来ました。
② 約定返済日が27日の場合、残高不足に気が付かなければ、督促があって数日内に入金しても、処理が翌月になり「延滞」の情報登録がされてしまうことがあります。
ただし審査する保証会社には「延滞」の情報が分かっても、それが何日で解消されたかは分かりません。
返済日が月末近くだと、単なる入金ミスでも「延滞」になりやすいので、延滞解消までの状況をよく説明する必要があります。
H様の場合、ローンの返済予定表や通帳コピーによって、フォローの説明をすることができました。