2012年5月11日
■民間金融機関の「借換え融資」競争の激化■
数年前から、多くの民間金融機関が「借換え融資」に力を入れています。
折込チラシやテレビCMで広告展開をする金融機関もあれば、狙いを定めた住宅地にチラシを
ポスティングする金融機関もあるくらいです。
これはなぜでしょうか?
1番に考えられる理由は近年の「新築住宅着工件数の減少傾向」にあります。
国土交通省の調査結果によると、2006年以降は減少傾向が続き、更には東日本大震災の
影響もあって、その減少傾向は昨年まで続いています。
住宅ローンの対象は新築だけではなく、当然ながら中古住宅購入も対象にはなりますが、
融資金額・融資件数とも新築の方が多いことから、住宅ローンを融資し、金利で利益を得る
民間金融機関としては、この減少傾向は非常に苦しい状況といえるわけです。
そこに追い討ちをかけていたのが、民間金融機関の競合相手である住宅金融支援機構による
【フラット35S】の優遇制度拡大であったことも間違いないでしょう。
全期間固定金利で尚且つ適用住宅には一定期間の金利優遇があるのですから、消費者に
とっては魅力的な住宅ローンなのです。
そこで融資件数拡大のため民間金融機関が乗り出したのが、「住宅ローンの借換え」市場でした。
他の金融機関で組まれた住宅ローンを、自行へ奪い取るという作戦です。
【フラット35】も借換えを扱っていますが、新規取組ほどの優遇内容はありません。
ただし民間金融機関では、
・一定の条件を満たせば、年利1%を切る変動金利!
・一定の条件を満たせば、保証料や事務手数料が0円!
など、そのサービス内容は各社各様で競争は激化しています。
■借換え優位の状況はまだ続くのか?■
先に述べたように、民間金融機関が「借換え」に注力してきた背景には、新築住宅着工件数の
減少や【フラット35S】の優遇内容拡大がありました。
しかし徐々にではありますが、現在は新築住宅着工件数は回復基調に乗っています。
一時期に比べると、最近はハウスメーカーのテレビCM、新聞広告や折込チラシがかなり増えて
いると思いませんか?
民間金融機関にとっては、この状況が続けば新築住宅融資に力を入れてくることが十分に
考えられます。
民間金融機関の「借換え」の宣伝には「○月までのキャンペーン」とか「期間限定」という言葉が
よく使われています。
これは世間の動きに合わせてすぐに戦略を変更するための言葉ではないでしょうか?
加えて今年4月から【フラット35S】の優遇内容が縮小されています。
民間金融機関にとっては、新築住宅ローンの取組件数獲得に注力する環境が整いつつある
わけです。
よって少しでも住宅ローンの負担を軽減したいなら、早めに「借換え」を検討した方がよいかも
しれません。
■毎月いくら返済しているかは知っているけど、その金利が何パーセントなのかは知らない■
これまで多くの方の借換えコンサルティングをしてきましたが、このような方が多数おられました。
今一度、ご自身の住宅ローンの「適用金利」を確認してみてはいかがでしょうか?
もしもご自身の「適用金利」をご存知でないようであれば、早めの確認をおすすめいたします。
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