例えば夫婦共働きの家族がマイホームの購入を検討し、
住宅ローンの申し込みをするとしましょう。
ご主人様の収入が審査の規定に何ら問題ないとすれば、
ご主人様単独の名義で申込んでも特に問題ありません。
しかしその逆、奥様の収入が審査の規定に何ら問題なく、
奥様単独の名義で申込もうとすれば、ほとんどの金融機関は
ご主人様を連帯保証人として請求します。
どうして奥様のみの申込みでは、認められないのでしょうか?
審査する金融機関は、奥様のみの申込みは「不自然」と
とらえるからです。
奥様のみの名義で申込もうとすると、金融機関から「なぜご主人様で
申込まないのか?」と、必ず尋ねられます。
理由はいくつもあります。
・ご主人様の年収が低い
・ご主人様に病歴があって団体信用生命保険に加入できない
・ご主人様が財産として他に不動産を持っているので、今回は
奥様単独名義でマイホームを買いたい など
これらの理由であれば、奥様での申し込みは受け付けられます。
ただしご主人様を連帯保証人とする条件がつけられます。
「ご主人様の信用情報に問題があるが、奥様が正社員であって
ローンの審査基準を満たす年収があるから、奥様単独で申込みたい」
という相談を受けることが時々あります。
このケースではほとんどの銀行で申込みができません。
ご主人様を連帯保証人とすることで、否決となってしまうからです。
審査の窓口として有効なのはフラット35しかありません。
(連帯保証人という制度がないため)
逆に奥様の信用情報に問題があるとして、ご主人様単独で申込んでも
何ら問題ありません。
金融機関からみれば、これは「自然な形の申込み」だからです。
例えを変えます。
融資内容の中に「親子リレー返済」という返済方法があります。
親が申込人となり、子供を連帯債務者とすることで、親が高齢でも
長期の借入期間のローンが組めるというシステムです。
その場合、後継者である子供が息子か娘かで、金融機関の審査スタンスは
大きく変わります。
つまり、息子なら受付可、娘なら受付不可なのです。
「娘は結婚したら家を出て行く」という概念があるからです。
息子だって結婚したら家を出るパターンが多い・・・
仕事一筋のバリバリのキャリアウーマンで、結婚を全く考えていない娘・・・
金融機関には、そんなことは関係ありません。
一般的な概念から、息子ならオーケーだが、娘ではダメなのです。
住宅ローンの審査において、男女差別ともいえるこの状況・・・
一日でも早く、改善されるよう切に望みます。
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スター (水曜日, 03 4月 2013 03:57)
私も同感です! なぜ? 娘は駄目なのでしょうか?
将来、婿をもらうこともあるわけだし・・・だからと言って婿が責任を持つとも一概には言えませんが。。。
確かに男女平等と言いつつ・・・世の中には理不尽な事や不公平な事が多いです!娘と親子ローンを組めるようにしてほしいものです。
要は、息子でも娘でも 親子ローンを組んだのなら、親子の絆で、親子で協力しあい、親子で助け合いながら 毎月の家賃の支払いと思えば一緒なのだから・・・きちんと支払いを続けさえできればいいわけですよね!
息子となら親子ローンを組めるのでも、あとあと その息子が絶対にローンの支払いを出来る保障や根拠はあるのでしょうか? 支払いが出来なければ、息子でも娘でも同じ事で・・・どちらでも、ローンが支払えなければ 結局 昔も今も物件は銀行が差し押さえをするわけですよね???
娘は嫁に行くからと・・・では、息子は結婚を機に家を出て行かないと言い切れるのでしょうか? 息子がお嫁さんが一番で嫁が同居がイヤだから、私たちの家が欲しいとかなったら・・・どうなのでしょうか? 息子だから? 息子はそんなことは絶対にないのでしょうか? 親と娘でも、きちんと支払いができればいいわけですよね!
例えば、世の中にはいろいろな人がいて、息子でも娘でも子によっては、逆に親の財産を無くすような人も中にはいるわけで・・・
今の世の中、事件や犯罪を犯したりとかする人も多い時代で、罪を犯した人の中には親子ローンを組んでいた人はいないのでしょうか???
もし・・・そういう事があったなら・・・ローンの返済はどうなるのでしょうか?疑問です?????
どちらにしても、息子だろうと娘だろうと人として変りはなく・・・娘との親子ローンも可能であっておかしくないと思います。それに、男でも女でも人は人生において何があるかわからないのも一緒ですから。万が一の為の保険で、団信保険もかけるのなら何の問題があるのか?何が違うのか? 親子ローンは息子なら可能、娘だと不可能と差別的な親子ローンの基準はどうなのでしょうか???
fmp-office (水曜日, 24 4月 2013 10:55)
スターさん
遅くなりましたが、コメントをありがとうございます。
私は住宅ローンの仕事をやっていて、以前からこの問題に
悩まされています。
審査する保証会社には、
「娘はいつかは必ず結婚して、家を出て行く」
「女性は結婚したら仕事を辞める」
「出産したら女性の収入がなくなり、家計に負担がかかる」
だから長期返済の住宅ローンを組むにはリスクがある
といった古い概念が根強く残っており、今の時代に
合っていないとも言えます。
安部政権には、3本目の矢、「待機児童ゼロ」の実現を
頑張ってもらって、この問題が少しでも解消されることを
強く願っています。
まこ (水曜日, 14 6月 2017 00:21)
こんにちは、検索から拝見しました。
今まさにこの問題で、ひっかかっています。
住宅ローンのために離婚する手段を取る前に、
あまりに疑問で仕方ないので、
書き込みさせていただきます。
既婚3年目の女性が、無理の無い額の物件について、
年収条件と社会保険加入、勤務年数7年経て、
自分の資産を得るべく、一人で物件を買う前提でローンを打診しました。
すると一人で申し込めると聞いていた銀行にさえ、後付で夫の保証人が条件とされ、
「既婚女性でなければ、ないしは既婚者でも「夫」なら、
一人で十分社会的信用がたり得たのに」との不動産屋の説明がありました。
これほど、堂々とした性差別を理由に、
不当な対応(夫の保証人)を要求してくる事に
「世が変わることを祈る」とかではなく、
実際に銀行を訴えることは
あまりに難しい(勝てない)ものなのでしょうか。
また、婚姻により女性は社会的信用まで失うという
点、広まれば「保育園落ちた日本死ね」並の注目を得ると存じますが
まだ全然世の周知が無いことにおどろきました。
「女性に生まれたら、真面目に社会でキャリアを積んでも、
ますます婚姻が足を引っ張る」現状。
絶対数が少ないのもあるのでしょうが、
この話題を多くの人に広めたく思います。
福岡MPオフィス (月曜日, 19 6月 2017 09:50)
まこ様
コメントをいただきましてありがとうございます。
このブログは今からちょうど4年前に書いたものですが、
2016年8月10日のブログにあるように、
https://www.fmp-office.jp/2016/08/10/%E5%A5%B3%E6%80%A7%E5%8D%98%E7%8B%AC%E3%81%AE%E7%94%B3%E8%BE%BC%E3%81%BF%E3%81%8C%E5%AF%9B%E5%AE%B9%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F/
最近では、当社がお付き合いがある金融機関には、
既婚女性単独でも配偶者の連帯保証なしで審査を
してくれる金融機関が数件出てきています。
しかし中には相変わらず古い体質の審査スタンス、
つまり既婚女性単独での申し込みを受付けない金融機関が
まだまだ多く存在するのも事実です。
住宅ローン審査の業界に限らず、世の中全体で女性に対する
社会的差別がなくなることを、当社としては切に希望しています。