福岡MPオフィスの松股です。
今回は最近の金利動向についてのお話です。
最近の経済ニュースでは、景気回復を思わせるニュースを時折目にします。
「物価、23年ぶり大幅上昇 4月 有効求人倍率も17カ月連続改善」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140530-00000001-fsi-bus_all
「夏のボーナス 過去最高8.8%増 大手平均88万円」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140529-00000133-mai-bus_all
そうなると最近の金利動向も気になりますよね。
「景気が上向いているのなら、金利も上昇している」と思っている方も多いことでしょう。
ところがこれらのニュースの内容とは逆に、現状はいまだ低金利状況が続いています。
図表で見ていただきましょう。
これが最近20営業日と過去1年の長期金利の推移です。
住宅ローンの固定金利は、長期金利(新発10年国債の金利)の動向に影響します。
(※変動金利の指標となるのは政策金利であり、長期金利動向の影響は受けません。)
最近の景気回復のニュースにもかかわらず、住宅ローンの固定金利は上記図表と同様に
低金利状態が続いています。
これはなぜでしょう?
ひとことで言えば「日銀の量的緩和策の効果」であるといえます。
量的緩和策では日銀が国債を大量に買い上げますから、債券価格は上昇しやすく
なります。債券価格が上昇するということは、金利が低下するということですから、
量的緩和策は金利を引下げる効果もあるわけです。
この効果によって、物価の上昇率ほどには金利が上がらないという状態になります。
これは実質金利の引き下げを意味しており、量的緩和策が期待する効果のひとつ
なのです。
また市場は、日本経済はまだ順調に回復していないと考えていると思われます。
最近の日経平均株価の推移は以下の図表のとおりです。
昨年11月に15000円台を突破したのをピークに、その後じわじわと下降し、
5月末現在では14600円台になっています。
これは世界的に見て経済が不安定であることに加えて、日本の場合、
消費増税の反動もあると言えるでしょう。
そしてそれが、金利が下がりやすい状況を作っているとも考えられます。
この状態がいつまで続くのか分かりませんが、しばらくは金利の低下に伴う株安、
円高などが発生する可能性も考慮に入れておいた方がよいかもしれません。
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