福岡MPオフィスの松股です。
時々、住宅ローンの審査を題材にしたコラムやブログを目にすることがあります。
筆者の多くはファイナンシャルプランナー(以下、FPといいます。)です。
今回はこのことについて書きます。
住宅ローンのついての相談を業務として請けているFPは数多くいます。
その中には住宅ローンに関する本を執筆したり、講演で話したり、コラムやブログを書くFPもいます。
以前このブログで、住宅ローンに関する書籍の著者の多くは、住宅ローン業務の実務経験がないと書きましたが、コラムでも同様のようです。
最近ではこのようなコラムを目にしました。
「住宅ローン審査に通りやすい金融機関はある? 審査を通すためのポイントは?」
このコラムの筆者は牧野寿和というFPの方です。
この方は長年旅行会社に勤務した後、仕事で外国を訪れるたびに各国のお金事情やお金の大切さを痛感したことからFP資格を取り、独立された方のようです。
つまり、住宅ローン業務に関する実務経験はないようです。
そこでコラムの内容を見てみましょう。
コラム全体としては、民間金融機関よりフラット35のほうが審査が甘いと述べたうえで、フラット35を推奨する内容といえます。
そして全体的に、これまでにあった同様のコラムとほぼ同じ内容です。
特に斬新な記述は見当たりません。
そして、このような場合は審査が厳しくなるというケースをいくつか書いていますが、ではそのような場合はどうすればよいのか、ということが全く書かれていません。
つまりタイトルにある「審査を通すためのポイント」については記述がほとんどなく、しかも誤りもあるのです。
では、このコラムの誤りについて指摘していきます。
・銀行独自の住宅ローンの場合「事前審査」は銀行でされ「本審査」は保証会社でされる。
→「事前審査」も「本審査」も保証会社で実施されます。
・個人信用情報の登録内容の中には「公共料金の支払い状況」「DVDやCDレンタルの返済遅延」も。
→これらは個人信用情報には登録されていません。
・自分の個人信用情報を開示して取り寄せたら、それが履歴として残る。
→自分で開示した分は履歴として残りません。
・勤続年数:通常、サラリーマンも個人事業主も勤続年数3年が目安です。
→多くの金融機関ではサラリーマンは勤続年数1年以上、長くても2年以上あれば審査を受付けます。
他にもありますが長くなるので、大事な点のみを指摘いたします。
このように実務経験がない方が現場のことを述べるのは限界があるようです。
なお風呂内亜矢というFPの方のコラムを読んだ時に信憑性があると思ったら、この方は住宅販売会社での実務経験がある方でした。
ただしこれは稀なケースです。
住宅ローンに関するFPには実務経験がない方が多いため、特にこの手のコラムには注意が必要だと思ってください。
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