福岡MPオフィスの松股です。
住宅ローンの事前審査に通らなかったため当社に相談に来られるお客様や住宅会社様から、審査に通らなかった時の申込書の控えを拝見させていただくことがあります。
その際に気付くことを、今後数回にわたって書いていきます。
第1回は「現在の家賃」と「預貯金資産」についてです。
画像にあるように、事前審査申込書には「現在の家賃」と「預貯金資産」について記入する欄があります。
※サンプルは福岡銀行と全国保証の事前審査申込書です。
黄色いマーカーを付けていますが、いずれも「現在の家賃」と「預貯金資産」を記入する欄があります。
しかしお客様や住宅業者様から申込書の控えを見させていただいた時、この欄(特に預貯金欄)は未記入のことが多いのです。
ただし預貯金欄については、私も申込者様に書いていただくことはあまりありません。
そこで、審査する側が何の目的でこの記入欄を設けているかを考えてみましょう。
場合によっては審査をする側に理解していただくための説明が必要な場合があるのです。
「現在の家賃」
・これからマイホームを購入しようとする申込者が、現時点でいくらの住居費負担をしているか?
・住宅ローンを取組んだ場合、毎月の返済額は○万円だが、長年にわたって支払いが出来そうか?
「預貯金資産」
・マイホーム購入に向けて、これまでに貯めてきた預貯金はあるか?
・今回の住宅購入で自己資金を出さないとしても、いくらほどの手持預金(資産)があるのか?
例えばマイホーム購入に向けての資金計画で、自己資金は出さず、諸経費も含めての借入希望で申込みをするとしましょう。
その場合、審査ではこの2つの欄の内容を重視します。
仮に以下のケースで考えてみます。
・現在の家賃は月額8万円
・預貯金資産はほとんどない
・住宅ローンを取組んだ場合、毎月返済額は10万円
そうすると審査する側はこのように考えます。
・今の住居費は住宅ローンの返済額よりも低いのに、預貯金が出来ていないぎりぎりの家計状況。
・これで住宅ローンの支払いが出来るのだろうか?
返済負担率や勤続年数などは何ら問題ないとしても、これが審査に支障をきたすこともあります。
よってこの事例の申込みだと「○○○○なので返済は問題なく出来る」ことの説明が必要な場合もあるのです。
ちなみに金融機関別に「現在の家賃」と「預貯金」の記入欄の有無は以下のとおりです。
【例】(2018年9月時点)
・福岡銀行 両方ともあり
・西日本シティ銀行 「現在の家賃」記入欄はなし
・佐賀銀行 両方ともあり
・鹿児島銀行 両方ともあり
・ろうきん(九州労働金庫) 「預貯金」記入欄はなし
・全国保証 両方ともあり
・九州総合信用 「現在の家賃」記入欄はなし
・フラット35 両方ともなし
申込書上の記入欄には、それなりの意味があることを理解するようにしてください。