福岡MPオフィスの松股です。
まずは今回の台風19号の被害、亡くなられた方へのお悔やみを申し上げるとともに、被害に遭われた方、特に長野県の千曲川はじめその他の川の氾濫で水害の被害に遭われている多くの方に対してお見舞いを申し上げます。
このブログを書きはじめた時点(13日10時30分)、ニュース映像ではかなりの被害が出ているようですが、なんとか最小限の被害で済んでほしいものです。
しかしネットでは早くも、今回も自治体などの対応に対して批判をする“自称専門家”が現れています。
現場の事情も知らないで、匿名で批判をする人たちのことです。
怖いのは、これら“自称専門家”の意見に賛同したり信じてしまう人が多いことです。
実は私が専門業務としている「住宅ローン」についても、昔からこの傾向が絶えません。
Yahooなどで住宅ローンに関するニュースが出ると、実務の現場を全くわかっていない“自称専門家”が匿名でコメントを書いています。
そしてこの誤った認識の投稿に対して、賛同のポチがたくさん付いているのです。
そして住宅ローンの審査に関する記事を時々見かけます。
筆者のほとんどが“自称”ではない“本物”の専門家といえるファイナンシャルプランナーです。
最近も、以下の記事をみかけました。
https://news.infoseek.co.jp/article/zuuonline_204631/?p=1
(筆者:ファイナンシャルプランナー 馬場愛梨)
これは本物の専門家が書いた記事とは言えない、典型的なものです。
彼らがこの手の記事を書く時、ほぼ全員が「国土交通省による住宅ローン審査の実態調査」を引用します。
そしてその調査結果をもとに彼らが口を揃えて述べることのひとつが、銀行が審査で重視する項目に「申込者の健康状態」が上位であるということです。
確かに住宅ローン融資にとって団体信用生命保険(以下、「団信」)の加入は重要です。
多くの金融機関は融資の条件として「団信への加入」をあげています。
しかしそれは銀行が審査するものではありません。
審査をするのは団信の幹事会社である生命保険会社です。
住宅ローンの審査と団信の審査はまったくの別物なのです。
ましてやフラット35は団信への加入は任意です。
団信の審査に通らないからといって、フラット35の融資が受けられないものではありません。
しかしほとんどの筆者は、団信の審査が銀行(または保証会社)が住宅ローンの審査をする際の重要項目であるかのように書いています。
怖いのは、何も知らない一般の方がこのような記事を鵜呑みにして信じてしまうことです。
例えば「個人信用情報の履歴」は、国土交通省の調査結果の上位にはありませんが、重要な審査項目なのです。
住宅ローンの専門家を名乗るファイナンシャルプランナーを多く見かけます。
住宅ローンの組み方や金利の選び方などについて述べるのは問題ありません。
しかし審査のこととなると、実務経験がない方が公で述べるのは遠慮していただきたいものです。
全員とは言いませんが、この手の記事の筆者の多くが、住宅ローンの実務経験がない方です。
私から見れば、実務経験がない分野について語る専門家は“自称専門家”と変わりません。
ではなぜ、現場での実務経験がない筆者によるこのような記事が絶えないのか?
ひとつは専門家としては書かざるを得ない項目だからでしょう。
そして明らかなのは、専門家としてこの手の記事を書くものの、実務経験がないので他の記事からコピペして多少アレンジを加えて書いているものばかりだということです。
先の記事を書いた馬場愛梨さんのプロフィールを見ても、住宅ローンの実務経験はない、またはあっても浅いようです。
ここ2年だけでも同様の記事はたくさんあるので、いくつかピックアップします。
https://news.mynavi.jp/article/20190312-housing_loan/
(筆者:佐藤章子)
https://financial-field.com/loan/2019/07/04/entry-49184
(筆者:藤山優里)
https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-1483/
(筆者:牧野寿和)
一般の方がこの手の記事を見て鵜呑みにしないことを、切に願っています。
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