福岡MPオフィスの松股です。
ずっとこの話題についてブログを書きたかったのですが、年度末の業務に追われてなかなか書けませんでした。
みなさまも今最も気になる「新型コロナウィルス」
日本のみならず世界的に大混乱を引き起こしているこの問題が、住宅購入や住宅ローンに与える影響についてお話しいたします。
【住宅購入について】
キッチンや洗面台など住設機器の製造において、中国から部品や原材料などが入らないことから、住宅設備機器メーカーの製品の中には製造をストップしているものもあるそうです。
事実、今月無事に建物が完成した私のお客様からも「ぎりぎり間に合った」と聞いています。
よって工事中またはこれから着工する注文住宅、建設中の建売住宅、建設中の新築マンション、リフォームやリノベーションが関わる既存住宅について、これからは工期に影響が出てくる可能性が高いと言えます。
この問題は、様々な業種の経済状況に悪影響を与えています。
すぐに思いつくものだけで、製造、観光、レジャー、飲食、商社、他にも多くの業種の業績が悪化することは間違いありません。
3/10現在、株価の下落や円高傾向が続いています。
最近になって住宅購入を考えた方の中には、まさかこのような状況になるとは思ってもいなかったでしょう。
中には「騒ぎが終息するまで購入を見合わせる」という方も多いと思います。
しかし新型コロナウイルス騒動に影響を受けない業種で働いている方には、このような状況である今が住宅購入の大きなチャンスとも言えます。
それは次の【住宅ローンについて】でお話しいたします。
【住宅ローンについて】
3/10現在、ご存知のように株価の下落や円高傾向が連日続いています。
これがいつ落ち着くのか、現状では全く読めない状況です。
これが日本だけの問題ではなく世界的な問題であることから、状況は深刻です。
これは当然ながら住宅ローンの金利にも影響してきます。
●固定金利
フラット35をはじめ多くの金融機関では月に一度、金利の見直しをしています。
この問題が終息するまで、金利が上がることはまず考えられません。
事態が長引けば、フラット35が史上最低金利まで引き下げられることも予想されます。
逆に先ほど【住宅購入について】の最後で触れたように、今回の問題の影響を受けない業種で働いている方で住宅購入を考えている方のうち、変動金利が心配な方にとっては、今が固定金利を選択する大きなチャンスと言えます。
またすでに購入して住宅ローンを返済中の方のうち、高めの変動金利で返済している方には「固定金利への借り換え」の大きなチャンスとも言えるでしょう。
●変動金利
変動金利は元々が底ばい状態といえる状況だったので、今以上に下がる可能性は少ないと考えています。
しかし顧客獲得のために、基準金利は変えずとも割引幅を拡大して適用金利を引き下げる金融機関が出てくる可能性はあると思います。
ではこの問題が終息したら金利が上がるのか?ということを聞かれることがあります。
私は「その可能性は低い」と考えています。
一つの例は2008年のリーマンショックです。
リーマンショックを境に、各銀行の変動金利(基準金利)は緩やかに下がりました。
それから時間の経過とともに経済状況が回復し、あれから11年が経過しました。
その間、日本ではどのような出来事があったでしょう。
ざっと挙げただけでも以下の事柄が思い浮かびます。
・自民党から民主党への政権交代
・東日本大震災
・自民党が政権奪取
・アベノミクス初期の株価上昇と長期金利上昇
・オリンピックとパラリンピックの開催地が東京に決定
・日銀がマイナス金利を導入
経済状況に大きな影響を与える出来事がいくつもありました。
その間、変動金利はどうなったでしょう?
各銀行の基準金利は、リーマンショック後に下落してからは全く変化がないのです。
長期金利の動向に影響を受ける固定金利とは異なり、変動金利は政策金利の影響を受けます。
※影響を受けるとはいっても、連動するわけではありません。
※2013年と2016年に政策金利が0.1%ずつ下がりましたが、変動金利はそのままでした。
よってこの騒動が終息しても、それは経済状況が元通りになるだけで、変動金利が上昇する要因にはならないと考えています。
しかし今回の新型コロナウイルス騒動は、現時点では先がまったく読めません。
世界的な問題であることから、個人的には東京オリンピック・パラリンピックも通常開催は困難で、中止、延期、無観客開催のいずれかになるのではと予想しています。
中止や無観客開催となった場合、日本は大損失を被ることになるので、それだけは避けてほしいものです。
経済の混乱が長引かないよう、一刻も早く終息することを願っています。