福岡MPオフィスの松股です。
先日あるお客様(以下、A様)の地方銀行住宅ローンが融資実行されたのですが、金消契約の時にポツリと言われました。
「(地方銀行は金利が高いので)ネット銀行にすればよかった」
ネット銀行はどこも低金利なのですが、それには訳があります。
今回はそのことについてお話しいたします。
画像は私が住宅ローン選びのコンサルタントの際に使う比較表です。
まず、さきほどのA様に私が返した答えはこれでした。
「すみません。ネット銀行では間違いなく審査に通りませんでした。」
A様には以下の事情があり、某地方銀行の住宅ローン審査に通るのがやっとでした。
・個人信用情報(シーアイシー)に異動情報あり。
・借入希望金額は年収の約7.5倍
まず、ネット銀行は他の種別の金融機関より「審査が厳しい」とご認識ください。
理由は保証会社の保証がない「プロパーローン」だからです。
地方銀行や都市銀行などの住宅ローンは、融資条件の一つに「保証会社の保証が得られること」という規定があります。
「保証会社の保証」とはどういうことでしょうか?
まず地方銀行や都市銀行の住宅ローンは、銀行と保証会社とで審査をします。
そこで審査に通り「保証会社が借入者の連帯保証人になること」で、銀行は借入者に対して住宅ローンを融資します。
銀行と保証会社と借入者の三者契約を取り交わすことで、融資が実行されるのです。
この場合、もしも返済途中で借入者が返済不能になれば、保証会社が銀行に一括返済をします。
だからといって借入者は今後の返済が免除されることはありません。
今後の支払方法は保証会社(または債権管理回収会社)との協議となります。
つまり銀行としては、借入者が返済不能になっても、いわゆる「不良債権」とはならないのです。
一方、ネット銀行は保証会社の保証なしで住宅ローンを融資します。
収入合算者や共有者がいなければ、他に連帯保証人を取ることもありません。
つまり銀行側にとっては、借入者が返済不能になった場合のリスクが大きいのです。
よってそのリスクを最小限に抑えるため「審査が厳しい」といえます。
そして信用度が高い方に融資をすることと、店舗がないことで経費を抑えていることから、低金利が実現しているともいえます。
なお最近は都市銀行も「ネット専用住宅ローン」と称した低金利商品を扱っているし、福岡県の地方銀行の中にはネット銀行に対抗した住宅ローン商品を店頭で取り扱う銀行もあります。
福岡銀行と西日本シティ銀行が全く同様の低金利住宅ローンを扱っていますが、そのうち西日本シティ銀行の商品をチラシでご紹介します。
変動金利のみですが保証料込みで年0.475%なので、ネット銀行の住宅ローンに十分対抗できる商品だと思います。
ただし以下の規定により、誰でもこの金利で借りられるわけではありません。
・契約時(融資実行時)の年齢が満50歳以下の方
・年収700万円以上の方(確定申告者は申告所得が2期連続700万円以上の方) など
※詳しくはチラシの裏面に記載されています。
ネット銀行の住宅ローンは低金利などの魅力がありますが、申込者の内容次第では、また購入物件によっては「使える」「使えない」があり、人によっては「向き」「不向き」あります。
ただし店舗がある銀行でも、ここで紹介している西日本シティ銀行のような商品があること、また都市銀行や信託銀行でも同様の住宅ローン商品があることも、知っておいていただければと思います。