日銀による政策金利の引き上げ→変動金利型住宅ローンへの影響

福岡MPオフィスの松股です。

長年にわたって低金利で推移してきた変動金利型住宅ローンですが、これから上昇する可能性が出てきました。

 

日銀が7月の金融政策決定会合で政策金利の引き上げを発表

3月にマイナス金利政策を解除した日銀は、7月30日~31日の金融政策決定会合で短期金利の誘導目標を「0~0.1%程度」から「0.25%程度」に引き上げました(政策金利の引き上げ)。
多くの銀行で、住宅ローン変動金利は長年にわたって変わっていませんでしたが、これから金利上昇への動きが見られそうです。
現在住宅ローンを変動金利で返済中の人や、これからマイホームを購入して住宅ローンを変動金利で取り組む人は、今後の金利の動きに注意することが重要です。

 

住宅ローンの変動金利はどのようにして決まるのか

住宅ローンの変動金利は政策金利の動向に影響を受けますが、必ずしも連動するものではありません。
これは変動金利の引き上げが実施されるまでの流れです。
①日銀による政策金利の引き上げ

②銀行が短期プライムレートを引き上げ

③銀行が住宅ローン変動金利の「基準金利」を引き上げ

 

まず①の日銀が政策金利を引き上げたからといって、②で銀行が短期プライムレートを必ず引き上げるとは限りません。
また同じ上げ幅で引き上げるとも限りません。
引き上げるかどうかは、各銀行の判断で決められます。
今回の政策金利引き上げにより、三菱UFJ銀行が9月2日付で短期プライムレートを0.2%引き上げることを発表しました。
他の銀行はまだ動きが見られませんが、これから何らかの動きがあると思われます。

 

②から③の流れは連動しているので、短期プライムレートが引き上げられれば変動金利の「基準金利」も引き上げられることになります。

 

変動金利の「基準金利」とは?

これまで変動金利のところで、あえて括弧書きで「基準金利」という言葉を使いました。
基準金利(店頭金利とも呼ばれます)は、各銀行の住宅ローンの本来の金利です。
分かりやすく言えば「定価」だと言えます。
福岡県内の主要な地方銀行である福岡銀行と西日本シティ銀行ですが、住宅ローン変動金利の基準金利は以下のとおりです。
福岡銀行: 3.075%
西日本シティ銀行: 2.725%

 

しかし実際に借りる人に適用されるのは、両行とも融資手数料型(融資手数料が借入金額の2.2%)で0.725%です。
(これを「適用金利」といいます。)
これは銀行と顧客との間で、住宅ローン以外の取引(給与振込先の指定やクレジット機能付きカードの契約など)を加えることで適用される優遇金利なのです。

 

なお住信SBIネット銀行は5月に変動金利の基準金利を引き上げましたが、新規契約者への適用金利は変えず、8月もそれが続いています。
このように基準金利を引き上げても、銀行の方針で適用金利を変えないこともあるのです。

 

ただし基準金利が引き上げられるということは、現在変動金利で返済中の人に影響があります。
多くの銀行の変動金利は、毎年4月1日と10月1日に見直されて、その金利が翌々月の返済日の翌日から適用されるのです。
よって現在変動金利で返済中の人は、基準金利が上がった状態で10月1日の見直しがあれば、来年1月から返済額の中で金利割合が増えることとなり、それ以降は元金の減り具合が鈍ることとなります。

その状態が次回返済額見直しの時期まで続けば、返済額が引き上げられることとなるのです。
現在変動金利で返済中の人にとって、今後の動きを注視しておく必要があるでしょう。

 

まとめ

今回の政策金利引き上げは円安への対抗策であることが明らかですが、今後の為替相場の動きや9月だと予想されているアメリカFRBによる金利の引き下げがあるのかどうかによって、今後の日銀の動きが変わるでしょう。
年内はあと9月と10月と12月に金融政策決定会合がありますが、状況次第では年内に追加利上げの可能性もあると思われます。

今回の利上げは想定の範囲内でしたが、日銀が今後追加利上げをするとしても、住宅ローンの変動金利が今の固定金利に追いつくまたは追い越すほどの利上げは、今の日本経済状況から考えるとまだまだ程遠いと、個人的には考えています。

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